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高温高圧を利用したダイヤモンド合成

2014.9.11 | その他のトピックス

ダイヤモンドが炭素であると明らかにされてから多くの研究者たちがダイヤモンドを人工的に作れるのではないかと試みました。ダイヤモンドが木炭や石墨と同じ炭素であるならばそれらから高価な宝石を作ってみようと思うのは当然です。

キンバリーのダイヤモンド鉱脈が発見される以前では、川床でダイヤモンドが発見されていたことから、ダイヤモンドを合成するのに炭素を高温高圧下で保持する必要があるという考え方はなく過飽和状態の溶液から析出させようという考え方でダイヤモンドの合成が試みられたようです。この方法は失敗してしまいました。

この失敗からプレス機械を用いて外から圧力を加えることで高圧力を発生させて、ダイヤモンドを合成しようとし、それを試みたのはイギリスのパーソンズが最初です。彼は、炭素を高温高圧下に保持して、電球のフィラメントに適した高密度の物質を作る研究に従事していた機械技術者で、炭素の高密度化がダイヤモンドの合成研究に結びつきました。彼の実験ではダイヤモンドが合成できる圧力まで達しなかったので失敗しましたが、現在のダイヤモンド合成の基礎資料になっていることは間違いないでしょう。

現在、ダイヤモンドを合成する装置は、衝撃力を利用して合成する方法以外は、ポンチとダイスからなる型を介して、プレス機械によって外部から圧縮力を与えて合成する方法です。

 

参考文献
吉川昌範 「魅惑の次世代素材 やさしいニューダイヤモンド」工業調査会

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