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ダイヤモンドの歴史

2014.5.29 | その他のトピックス

人類とダイヤモンドとの関わりは古く、紀元1世紀のローマの歴史書にもその名が登場するという。当時のダイヤモンドは、その硬さを利用して彫刻等の道具として使用されていたそうです。(ローマの博物学者プリニウスの著書「博物誌」の一説によるが、諸説あるそうです)

その後、長きにわたり宝石(宝飾品)としてのダイヤモンドに関する記述は歴史に登場していないが、加工技術の進歩によってダイヤモンドは宝飾品として価値を高めていきます。15世紀頃になり、微少なダイヤモンドの粉を用いて、大きなダイヤモンドを磨くという手法が確立され、宝飾品としてダイヤモンドの加工が進められました。ただ、当時のダイヤモンドはインドとボルネオ近辺で希に見つかる程度であったそうです。

ダイヤモンドの歴史の大きな転換は19世紀で、南アフリカ(当時英領ケープ植民地)でダイヤモンド鉱山が発見されます。これが有名なキンバリー(Kimberley)鉱山で、この鉱山がのちに世界最大のダイヤモンド産出会社となるデ・ビアス社の源流になります。キンバリーの名は、当時この地域を統治していたキンバリー伯爵に由来するそうです。キンバリー鉱山は、40余年にわたる採掘を経て1914年に閉山しています。

鉱山の発見により、ダイヤモンド流通量は数十倍に増加、それにより価格が安定し手に入れやすくなり、ダイヤモンドの研究が飛躍的に進みます。

現在、ダイヤモンド鉱山は世界各地で発見されており、ロシア、ボツワナ、コンゴ、オーストラリア、南アフリカ、カナダ等が代表的な産出地として知られています。

今日、ダイヤモンドが一般家庭でも手に入るのも、工業用途でダイヤモンドが使われるのも、この鉱山の発見があったからこそと言えるかもしれません。

※参考文献
NEWTON SPECIAL「ダイヤモンド」NEWTON誌2007年9月号
ダイヤモンド工業協会編 「図解 工業用ダイヤモンド用語辞典」
国立科学博物館 読売新聞社編「ダイヤモンド展」カタログ
ダイヤモンド工業協会編「ダイヤモンド技術総覧」

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