ダイヤモンド焼結体(PCD)加工

特性

ダイヤモンド焼結体(PCD)は、ダイヤモンド粒子を金属系のバインダーで高温高圧化で焼き固めた多結晶材料です。超硬合金のベース上にダイヤモンド層が形成された円盤から、ワイヤ放電加工機で所定の大きさに切り出して加工します。単結晶ダイヤモンドは大きさが限られてしまうため、大面積が必要な場合などに有効です。また、PCDは導通があるため放電加工が可能で、形状の自由度が高く単結晶では難しい異形状加工も可能です。

ダイヤモンド焼結体(PCD)素材

ワイヤ放電加工機でカットして使用

組成 C+バインダー
構造 焼結体
機械的特性
※参考値
引張強さ 1.3GPa
曲げ強さ 1.1~2.6GPa
圧縮強さ 6.9~7.6GPa
ヤング率 776~920GPa
硬さ HV 6,000~12,000
特長 地球上で最も硬いダイヤモンドの粒子を焼結しており高硬度。
耐摩耗性に優れいている。
単結晶ダイヤモンドでは難しい大面積を使用できる。
金属バインダにより導電性があり、放電加工が可能。
高い熱伝導率。
多結晶構造のため等方性で全方位で均一な特性を示します。

加工

ダイヤモンド焼結体加工データ

ダイヤモンド焼結体

PCD四角穴ダイス 半裁写真

  • PCD穴内面の研磨仕上げ

PCD四角穴内面表面粗さRa0.0153

PCDラップ加工

  • PCD平面研磨仕上げ

PCD平面研磨 表面粗さRa0.0113

使用用途例

ダイヤモンド伸線ダイス

電線などを伸線するダイス。

ダイヤモンドブラストノズル

耐摩耗性に優れたダイヤモンド焼結体で穴を形成したブラストノズル。

各種治工具

吸着ノズルや位置決め用の爪、カッターなど。